さかなのゆめ

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狛さんたちのおはなし
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(ぽわんと浮かんだおはなしをのせています*
※長いのでご注意を💦)


さかなのゆめ



むかしむかし。

国々がまだひとつだったころ

大地は様々な緑で覆われておりました。

緑たちは水蒸気の息を吐き
息はつもりつもって霧となり
霧は風にさらわれ天へとのぼり
雨となって大地にふりそそぎました。

その雨がいとしくて、緑たちはまた息を吐き
また雨が降りました。


あるお山の奥深くに

谷がありました。

そこには光がひとつも届かなかったので

そこが谷だということに誰も気づかず
谷自身も気づいておりませんでした。

ところが…
長い間降る雨で、谷は池となり
川へとつづきました。



ある月夜に、水面にゆらめく小さな小さな光の粒を
風が、谷のいる暗闇へと運んでゆきました。


光の粒が谷のカラダを優しく撫で

その時、はじめて谷は自分が谷だと知り
じんわり心があったかくなりました。

その後も
風は月夜になると光の粒を水面にのせて届け

谷はそれを楽しみにしておりました。

ある日、一匹のサカナが谷に迷いこみました。
サカナといっても
まだこの世につくられたばかりで
カタチは未熟でありました。



このサカナに、谷は日々届けられる光の粒を
ひとつひとつ、くっつけてあげました。

サカナは光が届く度、美しくなり
谷もそれを見て嬉しくなりました。

ぽわんぽわんと
二人のこころはあったかくなり
ぽわんぽわんとサカナが輝きました。

ぽわんぽわんと谷も自ら輝きました。


ある、しんと冷えた夜に
月が光輝き、谷の奥深くまで月光を届けました。

谷もサカナもびっくりしましたが、あまりの美しさに嬉しくなり
外へと飛び出しました。


けれど…谷は飛び出せません。

遠くへとかけてゆくサカナを、谷は黙って見送るのでした。


谷はまた暗闇に戻りました。


けれど、谷は、サカナを想うと胸があたたかくなりました。
その気持ちで、ぽわんぽわんと…谷が光り
それにつられるかのように、また谷の心も優しく光るのでした。


遠い遠いお山の奥深くの谷。


今では、優しい谷の光にあわせるかのように

小さな小さな花が咲き、小さな小さなイキモノたちが谷のカラダからうまれてゆくのでした…*


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Commented by MAJO at 2017-12-14 21:40 x
なんとうつくしいものがたり。。 

ありがとうございます☆

Commented by denmosou at 2017-12-14 22:21
MAJOさま*

こちらこそありがとうございます*

ものがたりをみせてよいものかと、ドキドキしていたので本当に嬉しいです*
(*´ー`*)
by denmosou | 2017-12-13 23:09 | 狛さんたちのおはなし | Comments(2)