雪の精

※ぽわんと浮かんだおはなしをのせています。
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ぽっぽっぽっ
ぽっぽっぽっ。

昨日降った雪が
おひさまに照らされて少しずつ溶けております。

ぽっぽっぽっ
ぽっぽっぽっ。

屋根から溶けた雪が
少しずつ地面にすいこまれてゆきます。



ある大きなお家のお屋根に
昨夜小さな小さな雪の精が舞い降りました。

いつもは真っ白な世界にいるので
目にうつるもの全てが面白くて仕方がありません。

遠くでは汽車がポーポーと汽笛をあげ
隣の家では小さな女の子が
朝食のおてつだいをしております。

人びとが雪かきを始め
お山は日に照らされて輝きます。

町は少しずついつもの姿となってゆきます。

なんて綺麗な世界なんだろうと
雪の精は見惚れました。

その内おひさまが高く高くのぼり
お屋根はおひさまに照らされて
ぽかぽかあたたかくなりました。

雪の精もおひさまに照らされて半透明になり
するりと屋根から地面へとすいこまれて
消えてなくなってしまいました。

ぽっぽっぽっ
ぽっぽっぽっ。



季節は過ぎて春となり
雪の精がすいこまれたあたりからは
小さな芽がぽっと姿をあらわしました。


ぽっぽっぽっ
ぽっぽっぽっ。

遠くで子どもたちが汽車の真似をしております。










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by denmosou | 2018-02-14 09:03 | 狛さんたちのおはなし | Comments(0)